『ありがち日記』

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永嶋恵美『檜垣澤家の炎上』

新潮文庫にて、800ページの大ボリュームでした📖

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ストーリー

横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とは――。小説の醍醐味、その全てが注ぎこまれた、傑作長篇ミステリ。
(新潮社サイトから引用)

ページ数のせいだけではなく、内容的にもすごーく読み応えがありました。

成り上がりの女系一族である檜垣澤家。当主の妾である母が火事で亡くなり、かな子は檜垣澤の家に引き取られる。妾の子であることで肩身の狭い思いをしているかと思いきや、当主の才をしっかり受け継いだのか、母親の教育のおかげなのか、周りの人間をよく観察し、時にうまく取り入りながら、逆に取り込みながら強かに成長していく。

婿養子の不審死の真相を明かすことは、即ちこの一族の秘密をも明かすことでもあった。ここがミステリとされている所以かとは思うけれど、そこまでミステリ色が強いわけでもない。むしろ明治から大正という時代、政略結婚や陰謀等々不穏な背景、癖のある家族や使用人・書生など、女である身で制限が多い中、檜垣澤の家に生まれたからには自分が大奥様に取って代わり、すべてを手に入れようとするかな子の成り上がりストーリーなのかなと思う。周りにはうまく本当の想いを隠し続けているつもりだけど、実はけっこうバレバレだったり、うっかり表情を出してしまう時などもありハラハラすることも。

処世術を身に着け次第に檜垣澤の人間として認められ始めたところで、あのラスト。長い年月をかけてきたそれまでの大変な苦労をも無とする自然災害。なんとあっけないものなんだろうか。自分の力だけではなく、何だかんだ言いながら周りに助けられていた事を悟ったところですべてを無くしたかな子は、これからこの大きな壁にどう立ち向かうのか。気になるところで終わってしまった。

昨年、横濱で散策を楽しんだばかりだったので、きっとあの辺が舞台になっているんだろうなぁなんて想像しながら読むのも面白かった。明治・大正の大富豪のお話、一族のドロドロしたお話は割と好物です(笑)

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(雑記)

先週からの大寒波、皆さんの地域はいかがでしょう。
もう寒さにも慣れてしまい、雪も見飽きてしまいました。雪遊びとかスキーはやれば楽しいけどね~😅そこまでにモチベーションが上がらず!

愛用しているフード付きマフラーです🧣台湾発のネット通販サイト(日本にも法人あり)で購入したもので、こちらも台湾のデザイナーさんの商品。台湾って暖かいけど必要?って思いながら買った記憶があります。ちょっとしたサラサラ雪なら首回りを温めながらフードをかぶればOK。別にちょっとくらい変なシルエットになっても、こんな真冬の北東北でそんなことを気にしている人はいないでしょう!(いるかwww)