『ありがち日記』

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王谷晶『ババヤガの夜』

「ババヤガ」で思いついたのが、映画ジョン・ウィック
確か、ババヤガと呼ばれていた。(意味は調べればすぐ出てきます、納得)

 

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日本人で初めて英国推理作家協会賞(ダガー賞)翻訳小説部門を受賞したことで、一気に話題となった本。世界最高峰のミステリー文学賞とのことで、本屋さんでもかなり推されていたよね。

私は王谷さんの本は一度も読んだことがなく、たぶんこの受賞が無ければ自分で手に取って読んでみるということはなかったんじゃないかな?ミステリー小説は好きなので、「どれどれ、話題の本を読んでみるか…」と珍しく素直に(?)流行に乗ってみた。

もう一つ、理由としてはページ数がそれほど多くなかったこと!最近読んだのが500pを超えるものだったので、その反動という感じ。

 

ガタイが良くて暴力を好み趣味とする依子と、暴力団会長の一人娘・尚子。依子が尚子のボディガード兼運転手をすることになり、特殊な環境の中で2人で過ごす時間が増えていく。見た目や経歴、年齢も異なるけれど、普通の世界では生きられない(受け入れられない)者同士にしか分からないこともある。恋愛とか家族、友人といった型にはまらない関係が良い。

後半ですっかり騙されていたと気付いた仕掛けがある。これがつまりミステリー文学賞にノミネートされたきっかけなのだろうか?なるほどとは思ったけど、すごく驚いたわけでもない。でも、日頃どれだけ思い込みや先入観だらけで生きているのだろうと、自身を顧みてしまう。アメリカではLGBTQ+ミステリー部門にノミネートされたそう(受賞は逃した模様)。

作品内で書かれるあらゆる“暴力”は、リアルでは絶対に許されないけれど、作品の中では想像力を働かせて、その世界を楽しんだり夢中になったりする。不思議なことだなといつも思う。

 

そして、冒頭に書いたジョン・ウィック。あちらはただそのまま恐怖の存在としての意味があった。本作品ではそれだけじゃない意味も含まれているようで、全く異なる印象になっている。ちょっとだけ戸惑ったのは自分の感覚がジョン・ウィック寄りになっていたからかな(笑)

 

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先週末は家族で出かけていたんだけど(👆その時に撮った写真)、旅行の後は疲れがなかなか取れなくて大変。今日は仕事もゆっくり出勤して午後には帰宅したのに、昼寝もせずに見逃したドラマや映画を見て過ごしてしまったし…。それはそれで充実なのだけど、体力の回復に時間がかかるようになってきたお年頃なので、明日から土曜日まで(仕事入ってしまった…!)何とか乗り切りたい!