『ありがち日記』

オタクな日々をコツコツ更新中

三津田信三『忌名の如き贄るもの』

飛び石連休の最終日(言い方合ってる?w)で秋分の日でもある今日は、特に出かけず家でゆっくりまったり。土日に動きまわったので、その分の体力回復に😅

大雨の土曜日は、自分の用事の合間に家族の送迎をしなければならず、ランチをテイクアウトして家でタイランチ✨近くのカフェで本格的なタイ料理がいただけるんだけど、今週は何とチェンマイ地方の料理を中心としたチェンマイプレート!

ソムタムタイ(青パパイヤサラダ)、サイウア(ソーセージ)、付属の焼きナスチリペースト&トマト豚ひき肉ディップも美味しかった。寒かったけどポメロンジュースがどうしても飲みたかったので💦

ごちそうさまでした~🙏

 

 

さてさて、刀城言耶シリーズの最新作。
シリーズを読み終わってしまうのがもったいなくて、一気に読まずに1冊ずつ間を空けて読んでいたのに、今のところこれが最新作みたい。

 

www.kodansha.co.jp

 

ストーリー

生名鳴地方虫くびり村に伝わる「忌名の儀式」。自らに降り掛かる災厄をすべて実体のない忌名に託す儀式の最中に、村の有力者・尼耳家の跡継ぎが殺される。「決して振り向いてはいけない」儀式中に右目を刺され命を落とした被害者。時同じくして目撃された異形のもの、”角目”。村を訪れた刀城言耶が事件の謎に挑む。

振り向いてはいけないーー。

誰も知るはずのない”忌名”。
その名を呼ぶ者は、誰か。

忌名は、言わば生贄だと?

 

今回も一つの村で起きる不思議な事件の謎をめぐり、刀城言耶が二転三転する推理を繰り広げる…。その村では「忌名の儀式」を執り行う旧家がまだ残っており、この奇妙な儀式についての考察や、葬式の方法など、各地の怪異譚を収集し執筆活動をする刀城言耶にとって、それもまた一つの執筆活動の一つではあるかもしれないが、なぜか事件の解決をする名探偵として期待されてもいる。

冒頭で、言耶の先輩・福太の婚約者・李千子が村で体験した、儀礼最中の不思議な出来事が語られるけれど、これが導入としてはぴったり。その後の出来事にも儀礼が大きく関わっているので、確かに重要な要素なんだけど…

 

忌名の儀式についての言耶の考察が結局のところ正解だったのかはっきりしないのも、村の中だけの秘密として余所者、異質の者は排除されるという、田舎の村にはよくある独特の慣習故なのかな。実際、村八分にされている家も出てくる。

読んでいるだけで息苦しさを感じるのは、こういう空気感が何となくわかるからなんだけども、まあそれは関係ないので今は置いといて。

 

ずっと小さな違和感、引っ掛かりを覚えながらも、犯人の正体が実在の人物なのか、怪異が絡んでいるのかグレーのままで、言耶の二転三転の推理。一応、その場では解決したということにはなったけれど、いまいち納得いかないというか、モヤモヤが残る。

 

ところが!そこから最後までの数ページに一番の恐怖が待っていたとは!

 

ずっと引っ掛かっていたものがコレだったのかという伏線回収が見事。何なら、大きな盛り上がりにも欠けるしダラダラと村で起きたことや風習を語られるだけのような文章で500ページほど読み進めていたから、ちょっと微妙?とすら思っていたので。最後に明らかになる真犯人とその動機にはぞわっとした。ちょっとホラーみもある終わり方も好み。また最初に戻っていろいろ確かめてはなるほど~と。

 

このシリーズがまだ続くと期待したいけどな。今のところは無さそう?刀城言耶の研究室と助手が登場するシリーズがあるらしいので、そちらも気になっているところ。機会があれば読んでみよう。