「神」シリーズの3作目。
ストーリー
あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかった――。埼玉で小料理屋を営む藤原幸人(ゆきひと)を襲った脅迫電話。電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見(ゆみ)から遠出の提案を受ける。新潟県羽田上(はたがみ)村――幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。母の急死と村の有力者の毒殺事件。幸人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を醒まし……。最後の一行まで最上級の驚愕が続くミステリ。
昭和から続く親子3世代に渡る不幸の連鎖。
雷が落ちるという自然現象は誰を責めることもできないが、これを「罰」として受け止め、人知の及ばぬ存在に理由を求める。(宗教とか信仰というものは、こういう人の心理から生まれるものなんだろう)
15年前に起きた妻の死亡事故、30年前の故郷で起きた毒殺事件、そしてその1年前の母親の死。それぞれが大切な家族を守りたいがために取った行動だったはずなのに、何の因果か、すべては繋がっていた。
この世には人知の及ばぬ存在があるのだと信じかけていたところに、小説のラスト2行。これは何という終わり方!!!最後の最後に突き付けられる事実。
重い展開に何度も胸が痛んだけれど、この畳み掛け方、さすが道尾さんということしか言えないね。手紙の書き換えについては、私の推理は大外れ。これもきっと道尾さんの思惑通りなんだろう。
お話としては重すぎない「風神の手」のほうが私は好きだったかな。
軽めの小説をKindleUnlimitedで探して交互に読んでいたので、バランスがいい感じに取れていたと思われ。。。😅